ようこそ、夢のマイホームへ
ようこそ、悪夢のマイホームへ
YONDER Quality family homes. FOREVER. YONDER Quality family homes. FOREVER. YONDER Quality family homes. FOREVER.
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※ネタバレページになりますので、本編観賞後にご覧いただくことをおすすめします。

Director's Statement

“マイホームを持とう”なんて考えは今やおとぎ話のようになってしまった。調子がいい広告は“理想の暮らし”を謳う。それは、誰もが喉から手が出るほど欲しがっている夢のような現実で、客をおびき寄せて罠にはめるためのエサだ。そこにはまったら最後、住宅ローン返済のために一生働く羽目になる。家庭を持ったら自分の家を持つというのは奇妙な目に見えない決まり事で、私たちは飛んで火に入る夏の虫のように吸い寄せられてしまう。その結果、自然が破壊され、同じような家々が立ち並ぶ道路が作られる。それは、住民たちが死ぬまで暮らす細分化された社会の迷路だ。私たちはプラスチック包装された加工食品を食べる。メディアは親たちと競い合って、子どもたちの頭におかしな新しい考えを植え付けようとする。マイホームを持つという<夢>はやがて<悪夢>に変わるかもしれない。私たちは消費主義に消費されている――こんな諸々の思いが『ビバリウム』を生み出しました。SFのレンズを通して“普通”を拡大し、ブラックユーモアと悲しみと恐怖と奇妙な満足感を織り交ぜて届けるシュールで倒錯した物語です。

みなさんを楽しませ、心に残るような映画になっていれば幸いです。

――ロルカン・フィネガン

Keywords
ビバリウム
vivarium
本作のタイトルにもなっている言葉。自然の生息環境を再現した展示・飼育用の動植物、またはその容器を意味する。
カッコウ
Cuckoo
カッコウ目カッコウ科の鳥。自分のヒナを他の鳥に育てさせる「托卵」を行う種として知られる。先に生まれたカッコウのヒナは、巣の持ち主の卵やヒナを巣の外に追い出し、自分だけの世話をさせる。本作の冒頭に、カッコウが巣の持ち主だったヒナを追い出す様子が収められている。また、カッコウという名前は鳴き声に由来する。

Photo from Shutterstock

托卵
brood parasitism
卵やヒナの世話を他の個体に託す動物の習性。不動産業者マーティンの“種”はカッコウであり、代理の親が必要な生物である。そこで、代理親としてトムとジェマに子育てをしてもらう必要があった。「托卵」というモチーフは、東野圭吾や羽海野チカの作品等、日本の作品にもみられる。
ヨンダー
Yonder
「向こうの、あそこの」の意。近くではないが、遠くもない距離を表す。本作の新興住宅地ヨンダーは車移動が可能であるため、市街地から遠くはない距離であることがわかる。
No.9
No.9
トムとジェマが不動産業者に案内され、意図せずマイホームとなってしまう住宅の番号。フィネガン監督いわく、“9”という数字は、始まりはあるが終わりがない形をしており、ひっくり返すことのできる形でもある。また、オカルト文学や儀式などでよく出てくる数字(アリ・アスター監督作『ミッドサマー』でも、9にまつわる数字が頻出する)。ヨンダーの住宅には、No.9だけが番号を振られており、他の家には番地がない。
DAY98
DAY98
ダンボールで届いた赤ん坊は、98日間(約3ヶ月)で人間の7歳ほどに成長した。少年は自ら「犬並みの成長だね」と発言している。
フラクタル図形
fractal shape
フランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学の概念。図形のどんな一部分でも全体に相似している図形のこと。ヨンダーの街並み、空に浮かぶ雲、少年が観るテレビの映像など、同じ図形や模様が連なる様子はフラクタルの概念が反映されている。特にヨンダーの街並みは<目印の消失>を表しており、これほど怖いものはないとフィネガン監督は話す。
音楽
music
本作で使用された楽曲は迷宮入りしてしまうトムとジェマを暗示する。特に「Rudy, A Message To You」と「007(Shanty Town)」は、陽気なメロディに乗せて社会の苦悩を訴える楽曲。まさに本作の視覚的な刺激と精神的な圧迫の二重構造を物語る。
  • Rudy, A Message To You
    /Dandy Livingstone(1967)
    タイトルの「Rudy」とは不良少年たちを指し(Rude boy[ルード・ボーイ]とも呼ぶ)、彼らへ向けた“将来を考えてそろそろまともな人生を送ろう”というメッセージを歌う曲。イングランドのバンド「スペシャルズ」がカバーした曲としても知られる。本作ではヨンダーへ向かう車中で二人が歌っている。“マイホームを手に入れ堅気な生活を贈ろう”と歌いながらヨンダーへ向かう二人の姿はまさに皮肉である。
  • 007(Shanty Town)
    /Desmond Dekker & The Aces(1967)
    ジャマイカのレジェンド的レゲエ歌手デスモンド・デッカーによる、シャンティ・タウンという貧民街での不良少年たちと政府・警察との紛争を歌う曲。ロンドンの若者に受け入れられイギリスでもヒットした。本作では、静けさに包まれたヨンダーで突然車から流れて二人が踊る。娯楽のないヨンダーでは悦びに満ちた時間だが、行き場のない不良少年たちの悲しみと重なる瞬間でもある。
  • Complicated Game/XTC
    イギリスのバンド「XTC」による楽曲。“右か左か”を自問したり、自分の選択とは関係なく誰かによって振り出しに戻されてしまうことを歌っており、本作のトムとジェマと重なる。本作ではエンドロールで使用されているが、不条理な出来事を見せられた後に「複雑な遊び=Complicated Game」だと言われるその状況が、まさに我々にとって不条理である。
不動産, 住宅
real estate, housing
かつては“夢・目標”の象徴でもあった“住宅を持つこと”は、資本主義と消費社会によってその役割が変わってしまった。人生のゴールにも思えた“マイホーム”というものは、不動産業者にとっては“商品”であり、それを“夢”に置き換え宣伝することで消費者に「必要」なものだと思わせる。不動産業者のマーティンにとって、代理親を探すために「夢のマイホーム」を謳うことは、現代の住宅の広告と近いものがある。しかし、夢のマイホームを手に入れたトムとジェマにとって、そこには「必要」なものなど一つも存在しなかったのだ。
テレビ
Television
テレビで流れ続けるモノクロ映像は、トムとジェマには理解できない。しかし少年は釘付けになり、テレビを消そうとすると不満を表す。フィネガン監督いわく、それは子供がインターネットやテレビを見続ける様子と似ているという。この行為によって、子供と親との距離が徐々に生まれるのだ。
真似
mimic
少年は、トムとジェマの言い争いやジェマの仕草などを真似する。不動産業者のマーティンも、子供部屋を案内している際に「子供はまだいません」とジェマの真似をする。人間から人間らしさを取り入れるため、彼らは真似をしているのだ。ジョーダン・ピール監督作『アス』でも、ドッペルゲンガーが仕草をコピーし、オリジナルから“学習”するシーンが描かれている。
ルネ・マグリット
「光の帝国」
The Empire of Lights
ルネ・マグリットの代表作の一つ。1953〜54年にかけて制作された。夜の暗い湖のそばに建つ家の上には、昼の真っ青な空が広がっている。この絵が持つ、シュールレアリスム(超現実主義)的でありどこか夢を見ているような感覚を、本作のヨンダーにも持たせたかったとフィネガン監督は語る。ちなみに、ウィリアム・フリードキン監督作『エクソシスト』も、「光の帝国」に影響を受けている。
勅使河原てしがわらひろし監督作
『砂の女』
The Woman in the Dunes
安部公房の同名小説を原作に1964年に映画化された作品。国内外で評価され、第17回カンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞、第37回アカデミー賞®︎外国語映画賞と第38回アカデミー賞®︎監督賞にノミネートされた。フィネガン監督は、“決して逃げることができない家から逃げようとする女の話”であるこの作品からかなり影響を受けていると明かしている。
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